みなさんこんにちは。ファミー午後の整骨院の村田です。
今日は野球の中でもピッチャーに起こりやすい「野球肘」についてお伝えしていこうと思います。
みなさんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
そのくらい発症頻度の高い疾患ということです。
病態
野球肘とは、野球の投球動作により肘を痛めるスポーツ障害の総称です。
他のスポーツと比べて、野球の投球ほど、肩や肘など身体の同じ部分に同じ力がかかり続けるスポーツ動作はありません。
この負担に加えて、成長期の小中学生の関節付近には、大人の成熟した骨に比べて明らかに弱い成長軟骨があります。
そのため、小学生の野球選手における野球肘の発生率は、20%にも及びます。
※約5人に1人
野球肘には、肘の内側に発生する内側側副靭帯損傷 (内側型野球肘) と、肘の外側に発生する離断性骨軟骨炎 (外側型野球肘)
と肘の後方に発生する骨端線離開(後方型野球肘)の3種類があります。
内側型野球肘の方が頻度が圧倒的に高く、特に野球少年が多く罹患します。
種類
①内側型
投球動作によって肘の内側に離れようとする力が繰り返しかかることによって発生し
成長が終わった高校生以降では骨と骨をつなぐ
靭帯自体が損傷され、少年期には靭帯が付着している成長軟骨付近の骨成分が傷みます。
しかし、重症となることは少なく、多くの場合は安静にすることで軽快します。
②外側型
「離断性骨軟骨炎」と呼ばれる、関節の中に軟骨が剥がれ落ちる障害が主です。
内側型に比べて発生頻度は少ないのですが、初期は痛みがなく気づきにくい点がやっかいです。
放置して悪化すると、場合によっては手術が必要になるので注意しましょう。
③後方型
肘の後方が、引っ張られたり圧迫されたりすることで痛むのが後方型の野球肘です。
子供の場合は成長軟骨に亀裂が入る「肘頭部骨端線離開」が多く、ギブスで固定することで回復が見込めます。
一方、大人は骨同士がぶつかり合って起こる疲労骨折が中心です。
まとめ
野球肘にならないために必要なことを教えます。
一番大切なことは使い過ぎないこと、投げすぎないことです。(オーバーユース)
でもたくさん投げてもストレッチやアイシングをすれば良いんでしょ?
と思っている方、それは間違いです。
靭帯や軟骨は血管分布が乏しく回復が遅いです。
そんななかで肘にダメージが蓄積されていきます。ですので休ませる時間が絶対に必要になります。
日本臨床スポーツ医学会の提唱している投球数です。
・小学生:50球以内/日、200球以内/週
・中学生:70球以内/日、350球以内/週
・高校生:100球以内/日、500球以内/週
今ピッチャーをしている子達はこれを目安に投げるようにしてみてはいかがでしょうか?